路地状敷地(旗竿敷地)で、奥まった旗の部分に建物が建築されています。竿の部分は20mを越えるため、県内の条例等、厳しい制約が設計条件として付加された敷地となり、なかなかに難しい計画でありました。設計依頼があったときはすでに条件として木造2階建と決められており、構造の自由度は無かったが、軟弱な地盤であるがゆえの結果だったため、構造と規模に関しては、比較的スムーズに計画が進みました。
建物に関しては、木造の2階建と云う条件のみであったため、住まい手となる4人家族から様々な方向から探りを入れ、設計のヒントとなるようなキーワードを見出していきました。間取りは極めて一般的でオーソドックスな構成となっていますが、キーワードの中にあった「飽きない家」と云う1つの言葉が設計コンセプトとなり、1間、1坪、の単純明快なグリッドパターンがこの家のモジュールとなり、シンプルな形態が出来上がったのである。
勿論その他の設計与条件として、住人が快適に暮らせるような希望は幾つかあったので、建物へ反映してはあるのだが、それらを前面に押し出すごちゃごちゃした内容の住宅にはしたくなかったので、控えめに控えめに住人があくまでも暮らしやすく生活できるように心がけた設計としてある。
工事完成引渡後、4人の家族がにぎやかに日常を過ごしてくれる瞬間に、この住宅は活き活きとしてくる。設計者として、そんな住宅にしたかったのです。 |