| 数十年前に建てられた、オーソドックスな集合住宅形式──70㎡・3LDKの一室を改修したプロジェクトです。
当初の計画では、全ての部屋を対象とした全面的な改修を想定していましたが、設備関連の改修にかかるコストが予想以上に膨らんでしまい、最終的には主要な部屋のみ、約40㎡を対象とした部分的な改修計画へと変更しました。
今回の改修の要となったのは、和室のリノベーションです。下階への振動や騒音への配慮から、高遮音タイプの二重床を採用しています。
その他のエリアでは、天井・壁・巾木・建具などに塗装や改修を施し、清潔感と明るさを感じられる仕上がりとしました。
施主のこれまでのライフスタイルを拝見すると、どうも部屋が汚れやすく、掃除を後回しにしがちなご様子。そこで、設計者としては少々“鬼”になりまして――意識的に掃除やメンテナンスを促すよう、室内に「白」を多用しました。 清掃の手を抜けばすぐに汚れが目立つ、いわば“白の圧”です。 設計という名の小さな仕掛けで、暮らしの習慣にほんの少し働きかけてみたのです。
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