指扇の家

路地状敷地、いわゆる旗竿敷地の奥まった「旗」の部分に建てられた住宅です。
「竿」の部分は20mを超えており、県内条例などによる厳しい設計制約が加わる敷地条件でした。そのため、計画は一筋縄ではいかない、なかなか難しいものでした。

設計の依頼を受けた時点で、すでに「木造2階建て」という構造条件は決定済みでした。軟弱な地盤という背景から、構造的な選択肢は限られていましたが、むしろそのおかげで構造や規模に関しては比較的スムーズに計画が進みました。

建物については、木造2階建てという条件以外には具体的な指定がなかったため、住まい手となる4人家族へのヒアリングを重ね、暮らし方や価値観など、さまざまな方向から「設計のヒント」を探っていきました。
間取り自体はごく一般的でオーソドックスな構成です。しかし、その中にあった「飽きない家」というキーワードが、今回の設計コンセプトの核となりました。

1間・1坪単位のシンプルで明快なグリッドパターンを基本モジュールとし、形態も潔くシンプルに。過度な装飾や強い主張を避け、住まい手の暮らしが主役となるような住宅を目指しました。

もちろん、住人の希望に沿って、快適な暮らしのための工夫も随所に盛り込んでいますが、それらを前面に押し出して住宅全体が“ごちゃごちゃ”としないよう、あくまで控えめに。設計者として、生活を邪魔しない、静かに寄り添う住宅を意識しました。

工事完成・引渡しを終えた今、4人の家族がこの家でにぎやかに日常を過ごしている光景こそが、この住宅を“活き活き”とさせてくれる瞬間です。
設計者として、まさにそんな住宅をつくりたかったのです。

所在地: 埼玉県さいたま市西区宝来下仲田
用途地域: 無指定地域・防火地域無し(市街化調整区域により、白地地域建築形態規制あり)
敷地面積: 299.98㎡(90.74坪)
建築面積: 94.49㎡(31.49坪)
延床面積: 137.86㎡(41.70坪)
構造規模: 木造 地上2階

Drawing Gallery

Pers Gallery

Photo Gallery

© 2026 建築日和