バリエーションライフな住宅

間口の狭い敷地での建築計画には、さまざまな課題を克服する必要があります。
アプローチや駐車スペースの確保、細長いプランにおける奥行きの扱い、隣地との関係性、さらには短辺方向における耐震要素の確保など、検討すべきポイントは多岐にわたります。しかも、それらを解決しつつ、快適な住環境を損なわない工夫が求められます。

ここでご紹介するサンプルプランでは、道路側と敷地奥にそれぞれボリュームを設定し、その中間に階段と光を導く「ライトコート(光庭)」を設けました。
この中間部が、単なる通路にとどまらず、建物全体の“光と動線のハブ”として機能します。

階段を挟んでスキップフロアを配置することで、奥行きのある見通しや、上下階の緩やかなつながりを演出しました。
例えば、各フロアごとに個室を設けてプライバシーを確保したり、半層ずれでアクセスできる空間を一体的に活用したりと、「自分仕様」にカスタマイズできる柔軟性も備えています。

構造面では、1階をRC造とし、上層部には木造または鉄骨造を採用。強度と軽快さを両立させたハイブリッド構成です。短辺方向の耐震要素にはブレース(筋交)を用いることで、構造的な安定を保ちつつ、圧迫感の少ない開放的な空間づくりを目指しました。

© 2025 建築日和