オープンプライバシーとは、「自分の居場所」としての空間のことである。 例えば、大きな空間の中にある小さな領域や、風景として捉える自然と自分との関係性のように、広がりや連続性と場所というスケールの差異によって意識されるものである。 この建築物において、オープンプライバシーは不可欠な要素だった。
女子寮という用途を持つ建物では、地域性を問わずプライバシーの確保が重要課題となる。 個室エリアと共用エリアとのつながりや、外部環境との関係性など、女性特有のニーズや問題点を解消しなければならない。 プライバシーの問題は対人関係にまで波及する可能性があるため、細部に至るまで慎重にディテールを詰めていった。
各寮室は、下階にリビングダイニング、上階にベッドルームを配置したメゾネット形式を採用し、より高いプライバシーを確保している。 これは、外部からの視線や共用部からの騒音に配慮した結果である。
|